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2003年11月12日の紀伊半島沖地震

〜 異常震域(3) 〜

2006/11/03
3.この地震をふりかえる

2003年11月12日17時26分、紀伊半島沖の深さ395kmで発生したM 6.5の地震は、近年希に見る異常震域を引き起こした地震であった。この地震はどのような地震だったのか、地球の断面図からふりかえってみる。

この地震の特長は、395kmという震源の深さである。下表に代表的な地震の震源の深さを示す。
発生日時 地震名/震源地 M 値 深さ
2004/12/26/08:?? スマトラ沖地震 M 9.0 32km
2003/11/12/17:26 紀伊半島沖 M 6.5  395km
2003/09/26/04:50 十勝沖地震 M 8.0 42km
2003/05/26/18:12 宮城県沖地震 M 7.0 71km
2001/03/24/15:27 芸予地震 M 6.4 51km
2000/10/06/13:30 鳥取地震 M 7.3 10km
1995/01/17/05:46 阪神大震災 M 7.3 16km
1993/07/12/22:17 北海道南西沖地震 M 7.8 34km
1983/05/26/12:00 日本海中部地震 M 7.7 10km
1946/12/21/04:19 昭和南海地震 M 8.0 34km
1945/01/13/03:38 三河地震 M 7.1 0km
1944/12/07日13:36 東南海地震 M 8.0 30km
1923/09/01/11:58 関東大震災 M 7.9 15km
この地震の震源の、際だった深さがご理解いただけよう。このような深発地震による震度は、『震央からの距離』よりも『地下構造の特長』の影響の方が大きいことが多い。平面図での震源・震度分布図は、震源からの距離を見誤ることが多いからである。参考に、この地震における各地の震央距離と震源からの距離、熊野市基準の倍数を示すと、下表のようになる。
地点名 震央距離 (熊野基準) 震源距離 (熊野基準)
熊野 120km 1.00倍 420km 1.00倍
東京 375km 3.12倍 550km 1.31倍
宇都宮 460km 3.83倍 620km 1.48倍
日立 500km 4.17倍 650km 1.55倍
浪江 600km 5.00倍 740km 1.76倍
階上 910km 7.58倍 1020km 2.43倍
釧路町 1270km 10.58倍 1360km 3.24倍
この地震で震度4を観測した地点の1つである福島県浪江町は、震央距離で見ると熊野の5倍離れている(遠い)が、震源からの距離では1.76倍に過ぎないことがわかる。

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