参考5
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・・・先日の演奏会で、話をした神父さんが、「皇帝とかの戴冠式のため、だと思われているけれど、本当は、ザルツブルクにあるマリアープライン教会でのマリア様のご像に冠を載せる記念ミサのために作られたから」と話していました。私の手許の「クラシック音楽作品名辞典(1981年版 三省堂)」でもそうなっていて、それを読んでいたので、納得して聞いていました。……でも、この辞書の説明を読んだとき、『それにしては、えらく大がかかりな曲ではないかなあ』と漠然と思っていました。
そこへ、先日「戴冠ミサ」の収録されたCDを貸してくれた人があり、その解説を読むと「作曲から10年ほど後の1790年、レオポルト二世の戴冠式の記念ミサに演奏されたためにこの名前がついた」となっています。あれ??
私が以前から持っていたCDは直輸入版で解説に日本語がなかったので読んでいませんでした。今度借りたCDは日本語の解説で、しかもCDの録音は94年のもの。つまりこちらの方が情報が新しいということになります。どうもこちらのほうが通説となっているようで、自分のより新しい「クラシック音楽作品名辞典(1996年版 三省堂)」をみたら、こちらの説になっていました。
作曲から10年も経ってからの演奏で名前がついたというのがこの曲の由来に誤解を生んだのでしょう。モーツァルトは本来戴冠式のために作曲したのではないでしょう。私が借りたCDの解説によると、モーツァルトの自筆譜のキリエの冒頭に1779年3月23日と記されているそうです。その年の1月にザルツブルクの宮廷オルガニストに任命されたモーツァルトがその年の4月の復活祭の時に演奏するために作曲したものと推察されています。・・・