Furuichi's Rainbow Homepage
Index
Music
Lounge
Study
Link
|
BACK
クラシックとは、小難しい顔をした指揮者がオーケストラの棒を振り、聞く人も小難しい顔をして聞かなければならない、そういう、芸術性は高いのだろうけれど、おもしろくもおかしくもない、古くさい音楽、というイメージがあろうかと思うが、実はクラシックは最高! なのだ。 研究社 "New English-Japanese Dictionary" を見てみよう。 そこでは classic とは [1] (芸術品などが)最高水準の、第一流の : our modern ~ writers 現代の一流作家たち [2] 軌範的な、代表的な、典型的な。 [3] (最高標準によって)高雅な、典雅な、高尚な。 [4] 史的[文化的]な連想に富む、由緒の深い。 [5] 伝統的な、有名な the ~ races [英] イギリスの五大競馬。 [6] (ギリシア・ラテンの)古代芸術・文化に関する、 [7] 人文的な、一般教養的な となっている。 クラシックの第一義は、「最高!」なのだ。 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC) について考えてみよう。 WBCは、米国大リーグ:MLB機構とMLB選手会が主催する、国際野球連盟(IBAF)公認の、野球の世界一決定戦である。 2005年5月にMLBが、翌年3月に野球の世界大会を開催することを発表した。その年7月12日には14ヶ国の代表が出席して(日本・キューバは不参加)開催発表記者会見が行われ、大会の正式名称“World Baseball Classic”が発表された。 『 古典 』 どころか、まだ1回も開催されていない、未来に開催する大会にして 「 クラシック 」 である。なぜなのか・・・ 理由は、「 野球の世界一決定戦 」 であって、「 最高! 」 だからだ。 西洋音楽は、【中世西洋音楽】-【ルネサンス音楽】-【バロック音楽】-【古典派音楽】 と発展してきた。この、【古典派音楽】が狭義のクラシック音楽である。「古典派音楽の3大作曲家」と言われるのが、ハイドン、モーツァルト、ベートーベン である。ここで音楽は、最高を極めてしまった。 次の世代の人たちは困っただろう。模倣するか、それとも全く別の新天地を開くか、しかなくなった。 全く別の新天地を開いたのが、【ロマン派】の人たちだ。シューマン、シューベルトなど、たくさんの作曲家の名が挙げられるが、クラシック(古典派)のベートーベン自身がロマン派の開拓者でもあった。 芸術が最高を極めてしまって、次の世代の人たちが「困った」のは、美術の世界でもあると思う。おそらくレオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ラファエロが最高を極めてしまったあとの、続く世代の人たちは困っただろう。その模倣を制作した人たちは、先行の3人を越えることはできなかった。のちに、バロック、ロココ派と呼ばれる芸術家が新天地を開いた。 さて、こういう観点で、もう一度いろんな「クラシック」を見直してみよう。 the classic races は、イギリスの五大競馬。よく知られるレースでは、オークス、ダービー など。日本の競馬にも5大クラシックというのがある。「このレースは創設が古いから『クラシック』に入っていて、このレースはさして古くないから『クラシック』には入らない」、などとネット上で議論されているが、本当は「最高!」かどうか、なのに・・・と思っておこう。私は競馬のことに詳しくない。 ゴルフにも「クラシック」を付ける大会がある。トップレベルのプロが参加する大会、というのが第一義だろう。アマチュアの大会に「クラシック」はない。 サッカーでは「クラシコ」が有名。リーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)の、レアル・マドリードとFCバルセロナ のカードである。「伝統の一戦」という意味だろう、とネット上で言われているが、「古典」にとらわれすぎていると思う。チームの創立から言えば、(1) アスレティック・ビルバオ 1898年、(2) バルセロナ 1899年、(3) RCDエスパニョール 1900年、(4) レアル・マドリード 1902年で、(1),(2),(4) は一度も一部リーグ=プリメーラ・ディビシオン=から陥落したことがないのだから、「古さ」で言えば、(1) アスレティック・ビルバオ 対 (2) バルセロナ が「クラシコ」と呼ばれても不思議でない。しかし実際には、バルセロナ 対 レアル・マドリード が「クラシコ」なのだ。 レアルの本拠は首都・マドリード、バルセロナは近年でも分離独立を求める声が大きいカタルーニャ州。この両地域の激しい対抗心も相まって、リーガ・エスパニョーラで両チームが熾烈な戦いを繰り広げ、覇を競い、因縁の対決を続けてきたからこそ、「最高!」に盛り上がる 「クラシコ」 なのだと思う。 BACK |