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談話室

 第45話 地下鉄などの方面表示を変更する提案

2017/03/31


(1) 東京メトロの行先方向の表示 は、「 ○○、△△方面 」 という駅名表示が標準になっている。これは「 わかっている人にはわかるが、わかっていない人にはわからない 」 表示だ。
ここで、「 わかっている人 」 とは東京の地下鉄になじみが深い人、「 わかっていない人 」 とは地方在住の人で、東京になじみがない人、そして外国からやってきた外国人の観光客などだ。
2020年には東京オリンピックでたくさんの外国人が訪日する。このままでは、東京の地下鉄の行先表示はわかりにくい、ということになってしまう。外国人にも、地方の人にもわかりやすいように改善すべきだ。

解決方法 東京メトロの行先方向の表示は、起点と終点の位置関係をもとに、「 東行・eastbound 」、「 西行・westbound 」、「 北行・northbound 」 または 「 南行・southbound 」 で表示するように改善することを提案する。

理 由 私が昨年秋にロンドンへ行って地下鉄に乗った経験で言うと、地下鉄に乗る人が必ず認識しておくことは、
            (a) 乗る駅、 (b) 乗る線、 (c) 進む方向、 (d) 降りる駅
だ。もしもう一つ認識しておくと良いことかあるとすれば、それは (e) 降りる駅は乗ってからいくつ目の駅か、だ。
            もし乗換えが必要なら、(d)=(a)= 乗換え駅 になって、(b)〜(d) を繰り返す。
ここで問題は (c) 進む方向 だが、これは東か西か、北か南か、が一番単純でわかりやすい。
その方面の途中か先かに、どんな大きなターミナルが位置するかは関係がない。
だいたい、ターミナルの大小は、その都市になじみがある人でないと、そもそもわからないことだ。
このへんが、「 わかっている人にはわかるが、わかっていない人にはわからない 」 表示という所以だ。

追 記 東京メトロでは、起点から終点に向かう下り線を 「 A線 」、終点から起点に向かう上り線を 「 B線 」 と呼んでいる。しかしこの上り/下りも、A線/B線も、メトロの社員と鉄道マニアしかわからない。この 「 わからない表示・案内 」 が、実際に乗客向けに表示・案内される。
事故や故障で列車が不通になったとき、車内のディスプレイに、「 ○○線、上下線とも不通 」 と表示されたのを見たことがある。「 上下線とも 」 は、「 inbound and outbound 」 だ。
全部止まったならこれでいいかも知れないが、「 inbound 」/ 「 outbound 」 ではイギリス人にもアメリカ人にも、どちらの方面行なのかわからない。意味の無い、目的を達せられない緊急時の案内だ。
これが「 eastbound 」/ 「 westbound 」 ならだれでもわかる。
ロンドンの地下鉄では、乗り場ごとに、この「 eastbound 」、「 westbound 」、「 northbound 」 または 「 southbound 」 が表示されていて、たいへんわかりやすい。

右は、ロンドンナビ http://london.navi.com/special/5028825   より。
        ジュビリー線プラットホームの方面表示。

他、私の一つ前の話題 第44話 地下鉄銀座線の上りと下り ?

(2) JR山手線、大阪環状線の行先方向の表示 は、「 内回り 」、「 外回り 」 と表示・案内されている。
これは 「 車は左側通行 」 の国の人しか正しく利用できない表示だ。
「 車は左側 」 は、日本、イギリス、インド、オーストラリア、旧英領の東アフリカの国々、インドネシア、その他の国々である。
一方、アメリカ、カナダ、中国、ロシア、イギリス以外のヨーロッパ国、その他圧倒的多数の国々は「 車は右側 」 だから、正しく理解されない。

解決方法 外回りは英語では 「 clockwise ( 時計回り )」、内回りは 「 anticlockwise ( 反時計回り )」 と表示するように改善することを提案する。

理 由 言うまでもないことだが、「 車は左 」 の国では環状線の外回りは時計回り、「 車は右 」 の国では 環状線の内回りが時計回りになる。
アメリカ人が日本に来て、山手線に乗ろうとするとき、「 日本は 『 車は左 』 の国だから ・・・ 」 とわかっている人でも 「 浜松町から東京駅に行くには 『 外回り 』 に乗ればいいの? 『 内回り 』 に乗ればいいの? ??? 」 とこんがらがってしまうだろう。
日本人がアメリカへ行って自動車を運転するときは、交差点で右折でも左折でもするときは、常に 『 右、右、右 』 と念じていなければならない。右と左の 「 制度 」 が違う国に行くと、わかっていてもとまどう、間違えてしまうものなのだ。

追 記 渦巻き型のJR武蔵野線 も、市川塩浜から先はこの方式に依るのが良いと思う。東京から市川塩浜の区間は京葉線がメインで、ディズニーに行く人も西船橋に行く人も eastbound に乗ればよいが、西船橋から先は clockwise / anticlockwise とするのが良いだろう。府中本町行を westbound とすれば、どこかで eastbound の列車を westbound に表示換えしなければならなくなる。

名古屋地下鉄の名城線 は、「 右回り 」、「 左回り 」 と表示・案内していて、これは全く正しいのだが、しかし、わかりにくさがない訳ではない。
円形にデザインされて表示される名城線の路線図では、12時の位置(最上端)に「志賀本通」駅があり、その2つ左(11時の位置)に「名城公園」駅、2つ右(1時の位置)には「大曾根」駅がある。
名城公園から大曾根に行くには 「 右回り 」 に乗ればよいことは誰にでもわかる。
同じ路線図で、6時の位置(最下端)に「妙音通」駅があり、その2つ右(5時の位置)に「瑞穂運動場東」駅、2つ左(7時の位置)には「伝馬町」駅がある。
右の「瑞穂運動場東」駅から左の「伝馬町」駅に行くには、「 左回り 」 に乗るんじゃないの? と思うのだが、実際には「 右回り 」に乗らなくては行けない。
・・・このような錯覚は、「 右回り 」 と 「 左回り 」 の考え方の違いで起こる。「 右回り 」 も 「 左回り 」 も、列車にとって、これはまた運転士にとって、乗客にとって、でもあるが、常に右、右、右・・・と廻っていけば、名城公園→志賀本通→大曾根→・・・→瑞穂運動場東→妙音通→伝馬町、と廻り、やがては一周して名城公園に戻るのだ。
この間、瑞穂運動場東→妙音通→伝馬町 では固定された 「 北が上 (ノースアップ)」 の路線図上では右から左へと動くのだが、もし運転士の前面パネル上に 「 ヘッドアップ ( 進行方向=ヘディング方向=が上 )」 となる表示の路線図があれば、列車も運転士も乗客も、常に右へ、右へと回っていくのだ。

・・・こういう錯覚でのわかりにくさを防ぐには、「 clockwise ( 時計回り )」、「 anticlockwise ( 反時計回り )とする方がよい。

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FURUICHI, Makoto