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【4】 2007/08/02 第九の廉価版CD
手元に1000円の第九のCDがあります。これは特に初心者の方にお奨めです。
理由は、
(1) | 特にダブルフーガの部分が、今まで聞いた、どのLP(・・・古い!)・CDよりもゆっくり。 ダブルフーガの音取り用・練習用には最適! さすがに、フィナーレの、Seid umschlungen, ・・・ は普通に早いが。 |
(2) | ウィーン国立歌劇場合唱団のコーラスで、本場の発音が聴ける。(ベルリンだともっと良かった?) |
の2つの理由です。
そして、CDなりを聞くことをお薦めするのは、(暗譜も含めて)曲を憶えるには、何回となく歌う、それがままならないときは、何回も聞くことが一番の早道だからです。
8月中旬から起算しても演奏会まで120日あるわけで、1日1回、都合120回、第4楽章を聞けば、自然と憶わってしまいます。実際、その半分の60回でも聞けば、まず憶わってしまうでしょう。
このレーベルは、DECCA BEST100 The Special \1,000円(税込み)
こういう廉価版CDを買うのは、ひとつのギャンブルです。
著作権の何らかのはざまの時期に録音されたものだから安いのですが、とにかく録音は古い。
録音年次がチェックできると良いのだけれど、だいたいお店がセロファンカバーをかぶせていて、録音年次が書いてある部分に、お店のラベルが貼ってあって、買う前に確認できないようになっていることが多い。だから、最低限、モノラルではなくステレオ録音であることは確認する。
もしマスターテープ、原盤にキズでもあると、それはハズレ、ということになります。
このCDは、1962年の録音でした。
指 揮 : S=イッセルシュテット(Hans Schmidt Isserstedt 1900-1973)
あまり聞かない指揮者だが、生粋のドイツ人指揮者。
管弦楽 : ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
合 唱 : ウィーン国立歌劇場合唱団
ソ ロ : サザーランド(S・豪)、ホーン(A・米)、キング(T・米)、
タルヴェラ(B・フィンランド)
ドイツ系がいないソリストの発音はさておいて、コーラスの発音をよく聞いてみると、確かにその通りだ、と思ったのは、Zauber, auch, auf, Laufet, aus の、「au」 の部分を「アオ」と発音していること。また、Brüder をブリ(ュィー)デル」、Flügel を「フリ(ュィー)ゲル」、Küsse を「キ(ュィ)ッセー」 と書いたのも、いい線行っていたと思う。
驚いたのは、Ja, が「ヤー」というよりは、・・・「ジャー」 と聞こえること。大変勢いよく出る。日本人にはマネのできない発音のように思った。
そのほかに、このCDを気に入ったところ・・・冒頭の続きとして書くと、
(3) | 最初のバリトンソロの部分の、Freude! Freude! が喜びあふれる声で、たいへん良い。 |
(4) | 中間部テナーソロの聞かせどころも軽くなく、堂々としていてたいへん良い。 |
(5) | 前項に途中から合わせる男声合唱 Laufet Brüder 以下は、かなり意図的に押さえられていて、堂々としたテナーソロが最後まで聴ける。 |
(6) | そのあとの、全奏の Freude, schoner Götterfunken, も、ゆっくりしたダブルフーガも、たいへん堂々としている。「ここが曲の中心だぞ」と言っているように聞こえる。 |
悪いところは何も書かなかったが、自分が買ったCDというのはそういうものです・・・。
おわり(08/02)
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