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河内から始まる、古市の系譜
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T.河内から始まる、古市の系譜
1.河内の 『 古市 』 の地
2.河内の古市氏
3.摂津の古市
4.近江、因幡、伯耆の 『 古市郷 』
U.伊勢の 『 古市 』。奈良から広がる 『 古市 』 。
V.とりあえずのまとめ
V.研究ノート
X .古市 Forum
4.近江、因幡、伯耆の 『 古市郷 』
律令時代の全国の 『 古市郷 』
大化改新以後、全国の国・郡を定める制度が正式に発足し、郡の下には郷が設けられた。10世紀に作られた 『 和名抄 』 という書物には、次の5つの古市郷が記載されている。
河内国 古市郡 古市郷
摂津国 東生郡 古市郷
近江国 滋賀郡 古市郷
因幡国 邑美郡 古市郷
伯耆国 八橋郡 古市郷
「 西日本の各地に古市郷が点在するのは、古市村主
( フルチのスグリ )
がそれぞれの地域の中心的氏族であったからであろう 」 と平凡社刊 『 大阪府の地名 』 は書いている。このあたりが 「
河内のフルチのスグリ
」 の系統が進出してできた 「 古市郷 」 と考えられる。
(1).近江の古市郷
近江国滋賀郡の古市郷は現・大津市の、ほとんど南半部=南郷から膳所、馬場、松本あたりまでで、瀬田川が東と南の限り=を占めているようだ。この地は古代にはやはり「布留知(フルチ)」と訓じた。 天武紀には 「 古市黒麻呂 」 なる人物が登場して、壬申の乱を天武側について戦っている。 また東大寺文書には近江の 「 古市村主寸食 」 との記事があり、やはりこの地が河内の古市氏の進出によって作られた郷であると推測される。
比叡山延暦寺を開いた伝教大師・最澄は、このあたりの出身のようだ。
延暦2年 ( 783年 ) の 『 最澄得度案 』 には 「 滋賀郡古市郷戸主正八位下三津首浄足戸口 」 とあり、 『 三津首広野 』 を俗名とする最澄の得度・受戒のことが記されている。
近江の国は古代の帰化人が多いところで、 私の愛読書 : 『 日本の説話 』
( 神田秀夫 著 =
龍と中国のファンタジーに関する書籍−国内編ほか
に紹介 )
にも近江の帰化人を題材とした日本の説話が紹介されている。
(2).因幡の古市郷
因幡国邑美(おうみ)郡の古市郷は現・鳥取市にあり、千代川東岸の旧・美保村地区であったとされ、現在の鳥取市古市は、その遺称地である。 この地の古代の 「 古市 」 の読み方は伝わってない。因幡国志では、 「 古市千軒 」 という大きな市場であったと伝説が紹介されている。
(3).伯耆の古市郷
伯耆国八橋郡の古市郷も、読みが伝わっていない。その場所は伯耆大山の北東面・加勢蛇(カセチ)川上流一帯で、現・東伯郡古長(フルナガ)の地であろうとされている。
・・・・
どうやらこのあたりまでが古市村主(フルチのスグリ)が進出してできた、古市という地名のようだ。
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T.河内から始まる、古市の系譜
1.河内の 『 古市 』 の地
2.河内の古市氏
3.摂津の古市
4.近江、因幡、伯耆の 『 古市郷 』
U.伊勢の 『 古市 』。奈良から広がる 『 古市 』 。
V.とりあえずのまとめ
V.研究ノート
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FURUICHI, Makoto 1999/06/16